適応症


(頭、顔面部、目、耳、鼻、口,舌の症状 )

   頭痛 偏頭痛 顔面神経麻痺 三叉神経痛 額関節症 蓄膿症

        口内炎 耳鳴り メヌエール症候群 ムチ打ち

(肩 背中の症状 )

   肩こり 五十肩 背部通 寝違え

(手 の症状 )

   手の痺れ バネ指 肘の痛み

(腰 臀部 股関節の症状 )

   腰痛 ぎっくり腰 椎間板ヘルニア 脊柱間狭窄症 坐骨神経痛 腰椎すべり症

(膝 足の症状 )

   変形性膝関節症 かかとが痛い ふくらはぎがよくつる

(内臓疾患 不定愁訴 婦人科疾患 その他 )

   不眠症 リュウマチ アトピー性皮膚炎 夜尿症 急性胃炎 便秘 下痢 

   逆流性食道炎 過敏性大腸症候群

   生理痛 乳腺炎 逆子を直す

   術後の後遺症

特に 経絡治療は内臓疾患や不定愁訴に強い治療法です。 Top

治療例

脊柱管狭窄症     Aさん 男性 61歳 

 座った姿勢から 立ち上り歩き始めると 右腰 臀部、大腿にかけて痛む。

無理をすると右足が突っ張り痛みがでる。
足をそろえて立てない。
見ていると足の運びが悪く、上下に体がガクンガクンとゆれて歩いているように見える。

体格はがっしりとした感じで 中肉中背、おだやかな感じの方です。
また、肝臓癌の手術もされており、お腹には手術痕があります。 上腹部が 大きくL字型に切ってあり その為お腹の筋肉が弱り ヘルニアとなり いつも腹帯で締めています。
食欲はあり、よく眠れているということで治療を始めました。

 こういう 現代の医療を受けていらっしゃる方で 肝臓は 手術で良くなったが、今は腰だけ痛いのだから それだけを早く何とかして欲しいと言う方がいらっしゃいますが、体にとっては その体にうけた外傷 心の傷 それらの歴史が すべて現れているのが 今 現在の体で、今までの病気と関連している事を分かって頂きたいと思います。

この方も肝臓が治ったと言っても お腹の筋肉も弱り、そのために右肩なども弱り(肝臓のある右側の肩にでる)、脇も筋肉が弱っていました。

体の弱った一部を なんとかバランス保つために 右の腰に負担がかかったのかもしれません。そのような事をお話ししながら、腎虚証という証をたてました。

 週2回の治療を続け、右足の痩せた足に 筋力を つけるようにしなければなりません。それには 痛みがおきないように 治療により 気の巡りを良くしなければなりません。経絡の働きが良くなれば 自然治癒力も 徐々に出てくる。そうすれば 足も筋力がつき しっかりするだろうと思い、補法中心の治療を行いました。

少しずつあぐらをかけるようになったり、横歩きができるようになり、座って立ち上がっても痛みがなくなるまで1年ちょっとかかりました。

そして、18000歩 歩いても痛くならない所まで来ました。非常に難しい治療だったと思いますが、これも経絡治療の優秀性と思います。
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夜尿症   Bくん 男の子 6歳

 幼稚園の年長組です。おねしょは夜中に2〜3回あり、お母さんがその都度起こしに行っていましたが、 起こす前から本人は目を覚ましており、それではあまり眠れないだろうと今はオムツをしています。

このお子さんは小柄で色白、無口ですがこちらからの問いかけにはしっかりした受け答えをします。 気持ちは強いものをもっている子だなと思いました。手足はそれほど冷えを感じませんでしたが、 いつも夜寝るときはお母さんが足を暖めてあげるそうです。お腹は冷え気味です。

 こういう小さいお子さんでも脉診することにより腎虚証という証をたてました。冷え性の人、 ご飯も食べれば食べられる、腰痛や骨の病気などの人がこのタイプです。

治療は痛くなく テイ針(ていしん:刺さない針)で穴に接触させ気血を調えます。気の巡りを良くし、 少しずつ自然治癒力を活発にさせ自分の力で病気を治すように体を調えていきます。

何回か治療するうちに夜間のおねしょの失敗も少なくなり、日中も頻繁にトイレに行くこともなくなったようです。

治療開始から3ヶ月過ぎた頃より自分で起きてトイレに行くようになりました。 このお子さんよりももっと高学年の小学生の方は多少時間がかかりますが、 焦らず体の気の流れを調整して良い結果が出ています。
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顔が洗えない患者さん   Cさん 男性 53歳 

 以前にも肩こりで来院されていた患者さんです。

今回は洗顔しようと思っても左腕が肘は曲がるが、そのまま上に上がらず、洗顔することができない。

もう1年も前からこの状態で また肩こりの原因となっていたのは 子供のとき 斜頸の手術を左側にしており、そのため 肩や肘の回りの筋肉も 慢性的に弱っています。触ると張りのないぷよぷよした筋肉です。

左の上腕部も痩せ、筋肉が細くなり、つっぱっています。また、足も冷え、食欲もあまりない。腹診するとへその左側が ぶよっとして力がありません。

 脉診すると腎虚証と出ました。それに沿って治療を始め、陰経の穴を補い、陽経も補いました。後、肩や首、腕に補法を加えました。始め左胸が 硬くなっていたのが柔らかくなり(背中が辛い時は胸のほうもこっているものです。)、背中や腕、肩甲骨の回りに張りが出てきました。患者さんは変化があまり分からなかったようです。

 患者さんには筋肉が痩せているので時間がかかる事を伝え、根気よく治しましょうと話しました。

来院するたびに少しずつ良くなっていくのですが、患者さんはまだ腕が上がらないと言う。焦らないで、根気よくやれば良くなりますと励ましつつ、1週間に1回の来院を繰り返し、3〜4回で治療後は腕が上がるが翌日には元に戻るという事を繰り返し、だんだん家でも上がるのうになり、2ヶ月で完治しました。

筋肉は痩せていましたが、比較的早く良くなったのは経絡治療の賜物と思います。
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自律神経失調症    Dさん  女性  63歳 主婦の方

 歩いている時は大丈夫なのだが家に帰り椅子に腰掛けると腰もゆれるし体全体もゆれる感じがする。

 そして体全体がドキドキし又ときどき腰が抜けるように痛いことが2−3年まえからあるということです。座ると両足に力が入らない.

 座るとふらつきゆれるのは2ヶ月前ごろからでその頃に胃の調子がよくなかったので其のせいかと思っていた。胃カメラで検査したが異常はないと言われた。

 首の周りに汗を多くかく。又両肩こりあり。以前右40肩になっておりこれは直っています。
 10年まえにアキレス腱を断裂して手術をしている。若いころより乱視あり。食欲あり。便秘しやすく腹が張る。

 これらの症状からアキレス腱の所は東洋医学では腎経が通っており腰も腎経の支配をうけるのと胃腸 がもともと弱い方なのでそちらとのバランスが崩れ症状がでているのではと推測しました。

実際に体を診てみると左肩がこり(胃腸の悪いかたは左にでやすい)左足の手術痕の硬さから(アキレス腱が細く骨のようになっていた)足の動きは患者さんは気にしていないが悪いのではと思えました。

それが腰痛の原因となり併せて胃腸の弱いのも関係し左の腰には大きな板状のこりが有り右の腰とのバランスとれず体のゆれる症状がでているのではと思われます。

 まず、腹診、脈診と診察し証をたてて治療をはじめる。鍼は細い銀の鍼で全身を調整し次に腰、足を中心にステンレス1番(デイスポ鍼)で行う。左背腰部の大きなこりはこりの表面から少しずつほぐしていく様にしていく。

 6回めで体全体のドキドキが胸のあたりでするだけになりアキレス腱が柔らかくなるにつれ又 左背腰部の大きなこりもとれるにつれ気の流れが良くなりグラグラゆれるのも治ってきました。

 途中海外旅行にも行って来る事が出来とても自信がついた様でした。とても感謝されました。3ヶ月近くかかり漸くドキドキグラグラするのもとれました.治るのに個人差はありますがとても印象に残った治療でした<
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歯根膜炎    Eさん    64歳  主婦

 歯医者さんに通院中 左下奥歯の歯茎腫れ 食べるのはなんとか注意しながら右で食べている。

治療している歯ではなく その後方の奥歯の歯茎がなんで腫れるのだろうかということです。とにかく 充分にたべることはできない。ろくに噛めていないので胃にも負担がかかります。

 油断してカツンと上の歯とかみ合った時のいたみは30分程痛みが響き顎を押さえているほどです。

お医者さんでは鎮痛剤を出してもらっていますがそのときだけで治っていく様子はありません。歯根部には膿は溜まっていないようですがかなりの痛みです。年齢の所為でしょうか。なかなか治らないので来院。

 診ると下顎の周りが腫れて飴玉でも口の中に入っているようです。左の肩こりもあり治療を始めました。口のなかのことですので胃経や大腸経が関係しているようです。

全身調整していくらか楽になったようですが左の頚周り 右も同様によく観察し弱っている所に気を補います。

背中から腰にかけても気持ちの良い鍼をしてお腹にも鍼を3鍼ほどして終了。

こういう治療をして4−5回して痛みはとれていきました。この方はまだ膿が溜まっていなかったので早く治りました。

しかし 年齢的にみると鍼治療を続けた方がいいと思われます。体の変わり目で自然治癒力も落ちているころです。また繰り返されると思いますので継続的治療をお奨めします。

このかたは 奥歯の歯ぎしりが 原因で歯根膜炎を 起こしているようでした。意外と 多い症状かと 思われます。




  
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声がでない    Fさん     42歳  会社員

 患者さんは女性 既婚者です。3年前より春先になると声が出なくなります。
喉に違和感あり。アレルギーではないかと医者で調べましたが特に問題は無かったようです。
その他に生理痛、ガスが多く出るのが主な症状です。
今までにかかった病気としては3年前子宮のポリープを切除したそうです。アレルギーではハウスダスト、唇にヘルペスできたことあり、肩こりは慢性的で特に左がひどいそうです。
血圧は低く身体は中肉中背といったところです。声は特に高くも無くどちらかといえば低い方です。鍼の経験はあります。

食欲あり便秘がちです。睡眠はよくとれており 手足の指先の冷えはあります。火照ることがたまにあり更年期の前駆症状ありかと思いました。生理は28日前後で規則正しく来ており生理前の頭痛、眠気があり生理中は吐いたりもする。

生理中は 鎮痛剤は必ず飲まないといられないと言う事です。子宮のポリープを取って1年ぐらいは生理痛おさまっていたが2年目からまた痛み出したということです。こういう方には珍しいのですが腰痛は無いということです。

身体を診ますと 左肩がもりあがり左の肩甲骨が外側に引っ張られ 肩甲間部が広がった感じで 凝りはベタッと硬くくっ付いて慢性的になっており 柔らかさがなく へこみもみえます。肩甲骨の下も硬くなっており こういう方はすぐに肩が疲れて背中もつらいだろうと推測されました。
左臀部から左大腿後側も張っている。

左胸の胸骨(胸の真ん中の骨です。)辺りへこみ硬くなっている。頚 肩 肩甲間部(肩甲骨と肩甲骨の間)の凝りぐあいから まだ50肩にはなっていないがその徴候あり。

又 のどの方は左軟骨硬く動き悪い。左頚の周りの筋肉やせて要る。5行で声は肺の支配を受けるので肺がからんでいるのではと思う。

脈診を行い証を腎脾相克と診て本治法を行う。(手足の大事なツボに接触程度の鍼を行って全身の調整を行なうことです。)つぎに 標治法(問題をおこしているところの治療)として喉、背中、頚の回りをよく診て気の流れよくし 艶もでるような鍼を行い 治療を終了する。

こういう治療を何回か行う中で途中仕事でよくしゃべり声が出ない日があり治療後 声が出て患者さんあ、声がでたと驚き、その後少しずつ声が出るようになりました。
また生理前にバタンと倒れていたのが今回は無くうれしかったということで こちらもうれしいお話でした。

この患者さんは治療後いつも体が暖かく気持ち良かったといわれ治療でこれだけ変化するのだと改めて経絡治療の力を感じました。色々な症状を言ってもらうことによりそれらを経絡の変動として捉え治療を行っていくので西洋医学とはそこに大きな違いがあります。

本治法(鍼で全身調整する)を腎脾相克という証(あかし)をたて鍼をすることにより全身の気の流れを良くします。

体のゆがみも取れ、その後に標治法(痛むところの治療)としてさらに気の流れを良くする為に局所をみながら補法 寫法を行います。

接触程度の鍼ですから気持ちがよく皆さん寝てしまいます。おきるとさっぱりします。声がでないからといってのどの回りだけを良くすれば病が 治るというものではないのです。

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背中が痛い、口の中の違和感 座ると体がグラつく 65才 女性 主婦

2年前にも来院 今回は2度目の来院です。

お話を伺うと背中が痛いということが主な症状で前回は体がぐらつくというのものでした。ぐらつくのは大分良くなったがまだ少し感じるそうです。その他に歯をかみ締めると歯茎 顎関節に痛みがあり足のほうも力が入らないということです。

背中の痛みは娘さんが三人目を出産ということで手伝いに娘の家に今年の1月から3月の始めまで行っていた。孫は幼稚園児2人と新生児、その子供達の世話で忙しい思いをした。それに加え2月の大雪で雪かきをして背中、腰がかなり疲れた。

整形外科でレントゲンを取ってもらい腰の骨に変形ありといわれ頚の方も同様に曲がっている。年相応と言われたということです。

娘さんの手伝いから3月始め自宅に戻ったものの まだ1週間に1度は手伝いに通っているということです。顎のほうはいつも 噛み締める感じで顎 歯茎に力が入っているということです。

既往歴はアキレス腱断裂手術、腰痛等。身体は中肉中背でシャキシャキと忙しい感じで動き、しゃべり早口です。声はやや高めの声です。(この高い声というのは経絡的に分けると腎や心に属します。)

食欲ありよく眠れる。手足の冷えは感じない。便秘あり。血圧は正常で薬は飲んでいない。

からだを触診すると左背中もりあがり 肩甲骨の下辺りにへこみあり。左の仙腸関節あたりもむくみあり。
左太股の外側もかなり突っ張っている。
右肩も凝っている。左顔面の顎の回り力なく弱い感じあり。左耳の下辺りへこみ 頚の前を通る筋肉が硬く突っ張っている。

お腹を診ると下腹が弱く手を軽くあてただけで張りがない。

次に脈診を行い腎虚脾実と診て手足の大事なツボに軽いタッチで鍼をする。使う鍼は銀やステンレスの鍼です。(使い捨ての鍼をつかっています)痛みは殆どなく気を調えるには痛みなく鍼することが大事なのです。

痛みがあると気が乱れ自然治癒力の働きが弱まります。まず この本治法で体全体の気を調え全身のバランスを良くし気血の流れをよくします。

次に標治法として 痛むところをみると左背中の骨の際や肩甲間部を補法、寫法し腰も左が弱っているので補的に行う。左右の肩から腰まで調える。また顔のあごの回りも補寫を行い気の流れをよくする。そして最後にお腹に鍼をして調えて終わる。

2回目1週間後背中の痛みはなくなってきた。歯茎がグーンと締まり痛いのはまだある。足に力入らないのも変化あまりない。前回と同じ様に治療を行いました。

3回目で背中の痛みはとれ足に力入らないのは前よりよくなり、足のしびれも無くなったそうです。歯茎がグーンとしまり歯に舌が当たり左の舌がヒリヒリしている。口を閉じると歯と舌がぴったりくっ付いている感じ。医者では舌痛症といわれ亜鉛が足りないということです。

6回目には背中の痛み殆ど無く口の中もたまにヒリヒリする程度になる。まだ来院中で眼もよく見えるようになったといわれる。9回目には足に力入るようになり立ってて座るとぐらつくのがかなり減ったということです。
体のバランスが変わってきて前より食欲もでて胃の調子も良くなったと話してくれました。左の腰の筋肉がしっかりしてきて右との釣り合いがよくなり座ってもぐらつきが少なくなってきたのが分かります。この後も 継続して治療を行っていく予定です。

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帯状疱疹の後遺症 肋間神経痛     68才  男性  無職

この方は始め心臓がおかしいと思い病院にいきヘルペスと分かりました。そのときはまだ筋肉痛のような感じで元気でしたがその後から左の背中から左の胸まで太い帯状に赤くなり発疹 水泡も出てきました。

医者から貰ったウイルスを押さえる薬も飲んでいましたがあまり効果がなかったようです。赤みが取れ始めた頃から肌着が擦れても痛くなり鎮痛剤も飲んではいましたが大して効かず医者からは1年かかる人もいると言われ来院しました。

痛み始めたのは発症してから3週間ほどです。身長は小柄で158センチ57kg 体はよく動き神経質なところは有るがいつも明るく朗らかな感じです。皮膚の色は黒と黄色が混ざっているような感じです。(経絡的には黒は腎、黄は脾を表します。)声はやや高めです。

 既往歴は13年前に脳出血で手術されており左の視野狭窄があります。手、足には麻痺はありません。高次機能障害といわれています。左50肩、花粉症 毎年くしゃみ、鼻水ひどい状態。大腸ポリープ摘出5−6年前、また腋臭の手術を中学生の時に行い脇の下に大きな手術跡があります。

食欲はあり 寝返りすると痛みがありよく眠れていない。小水近い。便は軟便で1日4−5回程行く。高血圧で降圧剤飲んでいる。胃が張りガス多い。

胸、脇、背中スタンプ押したようにチクチクする。金束子でこすられた感じ。

身体を触診すると赤黒くなっているところとまだ赤いところあり非常に広範囲に症状でており水泡も大(1,5センチ)小(5ミリ)のものなど幾つかでていた。胸の方に水泡多い。
胸はむくみ摘まむと痛いが皮膚と肌肉が分かれるようなかんじである。皮膚の下に水が溜まっているような感じである。鎖骨の上下も皮膚うすく弱っている。脇の下もたらんとして力なく張りがない。背中の方も肩甲間部や肩甲骨の下あたりはむくみ 赤みがある。

腹診、脈診を行い腎虚脾実という証をたて本治法(手足の大事なツボに鍼をして全身を調える。)を行い 次に標治法(患部の治療)を行う。こういう皮膚が薄くなり体力が落ちている人には灸(焼ききらない)を行い浮腫み、痛みがはやく引くように全身の気血をめぐらせることを第一に考え行った。

なにしろ左半分広範囲で今までのヘルペスの患者で特にひどい状態だった。患者には永くかかる旨伝え 根気よく治療するよう話し 1回目を終えた。

その後1週間に2度の治療を行い徐々に浮腫みも引いていき赤みが取れ痛みも戻ったり良くなったりを繰り返して体力が戻るにつれよくなっていった。

60代の人は気は若いが一度こういう病にかかると長年の疲労がでてきて長引く。なぜ治りが遅いのだろうと焦るが治癒力もおちてきてそれなりの年に応じた自然治癒力であることを分かって欲しいと思います。経過も右肩上がりにはいきません。自分であーこれなら治ると思うまで時間がかかるようになる年代です。焦らず気長に治療を受けてください。そのほうが速くなおります。

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肩こり 手の痺れ     50才  男性   会社員

左の頚から肩にかけて痛い。左手全体がしびれている。肩の痛みはじっとしていても痛い。左の腰も疲れてくると痛くなる。

肩こりは慢性的で左斜頚で高校生の時に手術をしたため 頚は右に傾いている。診るからに筋肉がなく 弱弱しい感じ。

身長180cmで60kやせている。やや猫背でひょろっとしている。眼は大きく伏し目がちである。ぼそぼそとしゃべりやや低めの声である。足の冷えもある。食欲あり、よく眠れる。特に薬は飲んでいない。

まず 体の局所(症状のある所)を診ると左の頚から肩にかけて力がぬけたように細くうすい筋肉があり鎖骨と頚のあいだに穴が開いたように凹みがある。左の方がはっきりしている。この細い筋肉は弱そうにみえて頚を動かすとピーンとはって頚から肩にかけてはり板をはったような感じである。こういう虚した(軟弱なこと)筋肉の人は治りが遅く時間がかかる人である。左腕の付け根(肩関節のところ)も 筋肉硬くなっている。50肩になる方はこういうところが硬くなります。小水の回数も多いということです。

左の腰、お尻も張っており太股も後ろがはっていました。

腹診、脈診を行い腎脾相克と証をたて本治法(手足の重要なツボに鍼をして全身を調整するやり方)を行い次に頚や肩、背中から腰に艶がでるように気を補ったり寫したりして左右を調えました。治療後は全身につやが出て頚のまわり、肩のまわりも張りがでてしっかりしました。痺れは痛みよりも治るのが遅く時間がかかることを話して終了しました。

2回目も同じ様に治療を行い今回からはお灸を併用することにしました。

お灸は身体を温め気を補う目的です。焼ききらないお灸ですので3分の1位燃えたところでとる半燃灸を行います。弱った皮膚にハリがでるようにして気血がよく巡るようにしました。体に力をつけようということです。治療後 2時間ぐらいはらくだということです。それが少しでも永くなるようにと治療を続けました。

15回あたり4ヶ月かかり肩は楽になりました。また痺れもそれにつれてとれてきました。小水の回数も20回行っていたのが10回に減ったということです。

治療を始めたのが7月ですので初冬にかけて増えるはずが減ったということは ずいぶん体が暖かくなったきたのではと思います。それで肩のほうはもう少し治療をしたほうが良いと思っていましたが来院されなくなりました。

ところが1ヶ月以上たってから また肩、腰が痛いと来院されました。1月の中頃過ぎてのことです。寒くて 身体に力が入りこりがでて 冷えで気血の流れが悪くなったからかなと思いました。それでまた治療を始めました。3月まで治療を行い終了しました。健康維持のためときどき来院されています。

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骨粗しょう症による圧迫骨折    67才  女性  主婦   1月14日来院

患者さんは1ヶ月に1度来院されている方です。今回はお姉さんの看病に行き 抱き起こした時にに腰がギクッとなり痛み始めたということです。洋服の着替え、トイレに行くにも、起き上がるのも大変、息が出来ない位 ということです。整形外科へ行き診てもらい薬をもらっています。痛みで歩くのも遅い。発症してから2週間経っています。これでも少しは良くなったということでした。

既往歴は腰痛、肩こり、胃にポリープ多くあり、左緑内障(レーザーで手術)左右白内障、逆流性食道炎、左50肩、右膝関節症などがあります。

身長は152cm、58kやや太り気味、痛みのためにあまり食欲なし、声はやや低めで血圧は正常です。鎮痛剤を飲んでいます。皮膚の色は黒っぽい中に黄色あり。

身体を触診してみると右の腰 骨の際にむくみあり ぶよっとしています。右のお尻や太股の外側、後ろ側もはっている。お腹も力を入れるため筋肉痛をおこしている。立たせて壁に手を着かせてみると右のお腹の筋肉がパンパンにはっている。とてもうつ伏せの治療は無理と思う。

腹診もできないので 脈診はベッドに腰掛けてもらい行う。腎脾相克と診て横向きになってもらい 本治法(手足の重要なツボに軽く鍼を接触させて全身の調整を行うやりかた)をおこない 次に標治法(痛むところの治療 他を行う)を行う。腰のまわり 背中 肩などにも補寫をおこなう(気を補ったり邪気をとったりする)。また座ってもらい腰のまわりに半燃灸(燃やしきらないで途中でとる)をおこなう。

このような治療を2−4日おきにおこなった。立たせて壁に手をつかせてお腹をみることにより痛みで力をいれているのが良くわかるのでそれが治っていく目安になった。すこしずつよくなって仰向けになって治療ができるまでになり 患者さんはぎっくり腰だと思っていたらしいがお医者さんで確かめてもらったところ圧迫骨折だということがわかりこれは永くかかるとお話しました。

ぎっくり腰ならば筋肉に傷がついたものだからもっと速く治るのだが、圧迫骨折となると骨にひびがはいったので その回りの筋肉や組織の働きを充分ととのえて血液の循環をよくしないと骨の修復に時間がかかりなおるのが 遅くなると話しました。


2月に入りすこしずつ楽になってきて右足に力がはいっていたのも減ってきて2月末には車で遠出をなんとかできましたが そのためまた腰が痛くなったりしましたが 寝たり起きたりが痛みなくなり立ち上がるとき少し 腰痛む程度になりました。それでまた以前のように1ヶ月に1度の治療に戻りました。
 

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腰椎椎間板ヘルニア   52才  男性 会社員  12月7日来院

奥さんにかかえられ腰をかがめ つかまってやっと歩けるような状態で来院されました。まっすぐにとても立てるような様子ではありませんでした。
腰、仙骨の上が痛み 右足全体がじっとしていても痛む。特に寝ると痛い。夜眠れず座っている方が楽といいます。4日前から痛み出した。原因は1週間前になりますが入浴して風呂から出たときに滑って転び左手首と腕、、肩、左の顔面をぶつけた。押すとまだ痛いがアザにはならなかった。しかし4日たち腰が痛くなった。医者では 仙骨の上の腰椎椎間板が狭くなっているといわれた。

既往歴としては左肩こり、ゴルフをすると腰痛くなる。逆流性食道炎、不眠症がある。
身長174cm、72k、血圧正常、降圧剤は飲んでいない。眼が細く、中肉中背、穏やかな感じの方です。現在は鎮痛剤を飲んでいます。鍼の経験はない。食欲はある。下痢しやすい。腹痛もある。眠り浅くトイレ夜中に1回行く。足の指先冷える。アレルギーはない。このような問診から足冷えお腹の方も冷えやすいし 下痢を起こすということから腰や骨盤内での血液循環悪くそれに対応する神経もいつも刺激を受けており そこへもって打撲を受けたので症状悪化ということも考えられるのではと思いました。

そこで腹診を行うにも仰向けには寝られないので横向きに痛いほうを上にして寝ていただいて脈診を行いました。腎脾相克と証をたて痛みで生気が失われて少なくなっていると考えて陰陽共に補うことにしました。(これは結果として両方補ってよかったと思いました。)

また左肩、腕、肩甲骨の回りに軽く散らし鍼をして右の腰、臀部、股関節まわりを診ると硬く張っています。そこに気を流すようにすると艶がでて柔らかくなりました。かなり痛み激しいので患者さんの負担にならないように終了しました。治療後すこし楽になったといわれました。こちらもほっとしました。

2回目12月8日、翌日です。すこし良くなり ふとんでなんとか眠れたそうです。とはいっても右足外側の痛みあり、むくみ押さえると痛がります。腰、臀部、足の外側を良く診て治療を行いました。

3回目12月9日 じっとしているとジンジンとした痛み。動かすとズキンズキンと痛む。昨夜は眠れなかった。まだまだ右足全体 浮腫みあります歩いて力いれるとズキン 腰も力いれるとズキンとする。腰、仙骨の上のむくみ かなりとれてきたが右足全体まだ 浮腫みがある。今日はお灸(燃やしきらないお灸)を行う。治療後まっすぐ立てたので患者さん びっくり。

4回目12月10日 ねむれなかったが 動きはよくなったといわれる。昨日よりはよい。治療は昨日と同じ様に 行う。

5回目12月12日 寝返り痛いのでよく眠れない。右足伸ばしても痛みはなくなった。右に力をいれても大丈夫。じっとしているとジンジンする。動かすとズキンとする。

6回目12月14日 ようやく昨日出社。電車でたっていると辛い。100メートル歩くと腰の付け根 膝の外側 足首ジンジン痛みくる。会社へ2日つづけて行けた。明日は休む予定。
8回目12月19日 じっとしているとジーンとする痛みまだすこしあり。動かすとズキンはすこし減ってきた。400メートルは歩けるようになった。昨日から仰向けで足伸ばせるようになった。よく眠れていない。が 前よりは徐々に眠れるようになった。

9回目12月22日 月曜から木曜日まで仕事に行った。ジンジン減り筋肉痛の強い感じ。太股大分良い。下腿まだ痛み有り。まだ熟睡は出来ていない。朝起きた時 大分痛む。1Kメートルは歩ける。平気で歩けるようになった。力いれると下腿から足首痛むが 足首のほうは大分よい。

10回目12月26日 今日は1人で来れたと嬉しそうである。ねている間にすこしずつ痛くなってくる。起き上がってしまえば大丈夫。右足力はいるようになった。連続して12−13分歩ける。

11回目12月29日 ちょっとずつ良くなっている。お尻の奥がいちばん痛い。身体は前ほど冷えなくなった。ふとんの中で暖かくなった。寝る時足と足の間に枕とか入れると楽と話す。

この後1月から2月にかけて徐々に良くなり2月25日 臀部、腰など押しても痛みでなくなり終了しました。

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顎関節症    42才  女性  会社員   7月29日来院

口が充分開けられない。舌が思い切って出せない。お寿司がのみこめない。2月10日頃から特にひどくなる。整骨院に3月から4月にかけていっていたがよくならない。この顎関節がおかしくなったのは15−6年前の歯の治療後 雑音がでるようになったころからだと思う。
既往歴は19才のとき肺気胸、胸膜と肋膜の間に空気が入って肺を圧迫する病気。立ちくらみ。老眼が始まりつつある。
身長150cm、54kg、血圧は正常、胃のむかつきときどきある。
次に触診してみると左の顔面 耳の前の顎関節からあごの下あたりまで ぶよっとして柔らかく頚の前の筋肉も柔らかく 弱っている感じ。腹診、脈診を行うと脾肝相克という証がたち すぐに治療をはじめる。まず本治法を(肘から下、膝から下の重要なツボを使って全身調整する技法)行い、次に顔面の痛むところは 回りに補鍼を行い 主にナソ部(頚の回り、背中の回りをいう)を補寫し(軟弱なところは気を補い 硬いところは邪実をとる手技)を行ない全身 気を流す。お腹にかるく鍼をして終了とする。鍼は決して深く刺入しません。顔や頚のぶよっとした感じはとれしまってきました。

8月1日 2回目  かみ合わせの痛みは大分とれた。舌を出すのは まだ前と同じ。舌をだすと顎のところがつっぱる。同じ様な治療をおこなった。

8月5日 3回目 あごのほうは大分よくなった。舌は思い切って力をいれて出すことができない。あくびが思うように出来ない。顎関節の回りまだ むくみあり。治療同じ。

8月11日 4回目 あごを動かすことができるようになった。下あごを動かすことができるようになる。いつもの痛みはかんじなくなった。

8月19日 痛み感じない。噛んだりすると顎がいたかったんだと思い出す。のみこむのも大丈夫となる。あごを 左右にうごかせるようになった。 治癒とみて終了しました。

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腰が伸びない  56才  女性  主婦 12月12日来院

腰が立ち上がるとき伸びない。両方の腰と足が痛い。太股から膝にかけて少ししか曲げられない。正座も少ししかできない。曲げたり伸ばしたりするときは手をそえないとできない。
3−4年前から症状がある。医者にもかかり 腰痛といわれている。便秘もあるので薬をのんでいる。仕事はやめているが2年前まではパートで立ち仕事をしていた。ビールを包んだり持ったりしていた。そのため腰が痛くなった。足のしびれはないということです。

既往歴は 14−5年前甲状腺の治療で入院した。1ヵ月半入院して治ったが また半月後悪くなり3ヶ月入院した。50肩 左肩を6年前に 次右肩を4年前になり右のほうが症状が重かった。

身長153cm 体重50kg 中肉中背 血圧正常で薬はのんでいない。眼が細く 歯切れよくしゃべる。(肝の性質のしゃべり方です。)また 他の治療で整体などの経験はあります。便秘がち、腹が張る。寝つきが悪い。とちゅうで眼がさめる。 手足の冷えはありません。顔がほてる。汗をかきやすい。特に頚の回り。アレルギーあり。肩こりはわからない。便は2日に1回でている。便秘薬は朝とお腹が空いた時のんでいる。ただし1日3回はのまない。

触診するとお尻のほうの骨のまわり左右とも大きく盛り上がっており 左足の太股の外と後ろ側がパンパンにはっている。また左肩甲骨もまわりも硬く左腕も硬く感じるところがあり左の腰も張っていた。患者さんは分からないが左の頚 肩も凝っていた。

腹診、脈診して腎脾相克とみてまず 本治法をおこなった。銀の鍼を用い(髪の毛より細いもの 使い捨ての鍼)手足の重要なツボをいくつか選んで鍼をして 全身の調整を行なった。次に標治法(体の辛いところを治療するやりかた)として 腰や背中、お尻から太股。膝の裏 下腿にかけて弱っているところは軽く鍼をして強め 硬くなっているところを気がよく通るようにやわらかくし、全身よく見て艶がでるように治療をおこなう。艶がでるということは気が良く巡り自然治癒力が増すことにつながります。鍼はほとんど 刺入しないので気持ちよく眠っている。それで充分治療効果はあります。やわらかい脈になるようにすると体の自然治癒力の力も高まります。

2回目12月17日 右足の付け根が痛い。立ち上がるとき腰伸ばせない。右の膝に隙間ができている。膝も 悪いのではと思う。初回から較べると患者さんは大分楽だという。同様の治療をおこなう。

3回目 12月20日  右足の付け根の痛みが減った。前はレストランで座っていて立ち上がろうとしても すぐに 立ち上がれなかった。いま大分よい。

4回目 12月21日 お尻のむくみは大分 減りどこが悪いのかはっきりしてきた。仙腸関節といって骨盤 とお尻の真ん中の骨との関節が動きが悪くなっている。女の人は妊娠。出産、子育てで腰に負担がかかるので こういう方が多い。もちろん腰の関節も擦り減って悪くなっており、股関節の動きも悪くなっていた。同様の 治療をつづけてよくなっていった。

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赤ちゃんの夜泣き   10ヶ月の男の子  8月7日来院

夜泣きをするので心配という。お母さんの話によると6ヶ月の時から ねるとしばらくすると泣いて起きる。 それをなだめたり おっぱいをあげたり ダッコして寝かしつける。が、すぐに また泣いて起きるということが1ヵ月半続いた。それが 少し小康状態がつづき いままた 2、3時間ねると 泣いて起きる。おっぱい飲めば寝る時もあるが 寝なければ1時間ほどダッコしてねかせている。それを夜中に3回ほど繰り返している。また 以前に戻るのではと心配している。おかあさんも眠れないので睡眠不足にもなっている。鍼でどうにかならないでしょうかと いうお話でした。

お子さんは にこにこして 人見知りもあまりしない元気なお子さんです。体重は7800グラム、小柄な方です。ご飯も良く食べ、便秘も下痢もなく 風邪をひいて鼻水が少しでている程度です。神経質な子ではなく、日中 元気にあそんでいるということです。昼寝は12時半から14時半まで2時間ほどねます。健康的なお子さんで まだ しゃべれないのでそれが からだにいろいろな形で現れているのかもしれません。赤ちゃんといえども 経絡を調えて気血の流れをよくすればもっとゆったりとして 眠れるようになるかもしれないと思いました。     最初恥ずかしそうにしていましたが泣かないでお母さんにダッコしてもらい治療を始めました。

赤ちゃんでもできるだけ 腹診、脈診をさっと行います。証をたて 鍼はテイ鍼といって刺さない鍼を使います。それでサッと手足のツボに鍼をして全身を整えます。次に背中から腰、頚、頭、胸、手足など軽くヘラのような鍼でチョンチョンと流すように行ない気の流れをよくします。最後おなかを撫でるようにして終わります。10分もかかりません。が 効果はあります。

お母さんに背中を気持ちよく軽く撫でてあげてくださいと話し終了しました。気持ちよく行なうことが大事です。安らぎますから。

2回目8月日 治療の日の夜はよく寝て5時間ほどねて起きなかったそうです。ねつきも良かった。でもまた元にもどったということです。同じ様に治療をする。

3回目8月13日 あまり変化なく 一昨日5,6回起きたが 寝るのに時間がかからなくなった。昨日は3回起きた。うんちは普通にでているということです。

5回目9月4日 3回ぐらい起きるが以前のように泣いておきることはない。すぐ寝てくれるようになった。おっぱいを飲んでねる。食欲もあり機嫌は良い。おかあさんは少し楽になってきたということで終了しました。

小児鍼は続けることで子供の自然治癒力が増し元気な子供に育ちます。治療時間はかからずすぐに終わります。一度後来院ください。

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五十肩   65才  男性  無職(主夫)  4月3日来院

1年前に右の五十肩がなおった後、左肩が痛くなりはじめた。左腕 動かすと痛い。後ろにはいかない。左肘を90度に 曲げるだけで ぎくんとした痛みが有る。寝ていても痛みで眼がさめる。

既往歴は胆石 (これは30才ごろの時)、右五十肩、花粉症、不整脈あり、補聴器を1週間前からつけている。経絡治療では これらの症状から 証という診断をする情報を得ます。それでできるだけどういう症状があるのかお話をききます。例えば 耳が悪ければ 腎の症状のなかにいれます。そういうように分別していきます。

身長165cm、中肉中背、色黒、血圧正常。電気鍼をやったことあります。便通は下痢しやすい。夜中に1度トイレに行く。手足の冷えなし。口、唇にできものできやすい。お酒は毎晩 飲む。緊張すると足首より下がかゆくなる。ピリピリ痺れがきれたときの感じがあります。

よくしゃべる。朗らか。でも神経質そうである。奥さんが働いており自分は家で家事をしている。また結婚している娘さんがあまり体調がよくないので頻繁に面倒をみに行っている。3才のお孫さんもいるのでその子の面倒もみている。いうことをきかないので困ると話します。

立った状態から見ても左肩が右に較べて下がっています。そこで触診してみると左肩甲骨の回りは硬く 左の脇まで 硬くなっていました。頚から肩 腕の筋肉落ちてやせています。ぶよっとした感じです。むくんだ様な中の筋肉はやせて硬くなっています。とくに肩の関節のまわりの筋肉はこり固まっています。腰やお尻の方まで筋肉が はっています。腕は横に80度ぐらい上げられますが 前方、後方はあまり あがりません。また横に上げるときも肩甲骨がいっしょに動きます。かなり 状態はよくありません。これだけ筋肉がおちていると治るのに時間がかかります。

五十肩は肩の関節の動く範囲がせばまり、痛みを伴います。肩の関節は 球関節といって前方、側方、後方といろんな角度に動かすことができるようになっています。それが動きが悪くなって動かなくなるということはその回りの筋肉が固くこり 関節の動きを制限するようになるからです。そこまでになるには長い年月こりかたまるほど仕事をしたということですね。そして腕の方には腰からの筋肉もついており 腰の悪い人は腕にも影響があります。

つぎに 腹診、脈診を行ない証を腎脾相克としました。手足の重要なツボに銀の鍼を用い、軽く補寫を行ないました。鍼はほとんど接触程度ですので痛みはありません。きもちよい感じでリラックスできます。これで全身の調整をおこないます。ゆがみを治したり気血の流れがよくなります。つやが全身にでてきます。

つぎに標治法(痛むところを治療する)として横向きになってもらい 左腕の肩関節のまわりや頚 肩 胸 鍼をおこないます。そしてうつ伏せになってもらい背中から腰 お尻までよく診て補寫をおこない 左右をととのえて気血のながれがよくなるようにします。また こういう慢性的な患者さんには灸を用います。でも 焼ききるような灸はしません。艾に火をつけても3分の1ぐらいのところで取り除きます。それでも充分効果はあります。この方のように筋肉やせて血液の循環悪く冷えやすくなっているのでお灸をすることにより体が暖かくなり 筋肉にはりと艶がでるようになります。治療後 体暖かくなり きもちが良かったということです。このような治療をしばらく続けました。

2ヶ月後 前方に動くようになってきたが横のほうに動かすと肩甲骨もいっしょに動き 腕はあがらない。筋肉やせていたのがすこしずつしっかりしてきているが まだ はりがない。ソファーに背中をもたせ掛けていると痛くなってくる。肩甲骨のまわりの筋肉かたく浮いているようなかたちにになっており (翼状肩甲 よくじょうけんこうと いいます) 肩甲骨をソファーに押し付けていると 痛みがでる。左肩が下がっていたのが少しずつ 左右の高さがそろってきた。

4ヵ月後 肘はまだ完全に曲げられないが痛みはとれてきた。症状がよくなるにつれて筋肉ついてきて 皮膚も なめらかになる。痛みはとれてもこり固まっていた筋肉が ほぐれて腕が楽にうごかせるようになったのは7ヶ月後でした。かなり重症の患者さんでしたが根気よく通院してくださりよかったと思います。しっかり治さないと腰の方まで固くなり ぎっくり腰になったり 圧迫骨折を起こしやすくなります。その方の体質により治り易い方もいますが 仕事をされている方はやはり時間がかかります。

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右足のしびれと腰痛   69才  男性  自営業  3月13日来院

右足の下脛の外側がしびれる。腰も痛い。朝起きるのが大変ですぐ起きれない。一息ついてから起きる。今年の2月 大雪で雪かきしてからひどくなった。足に力が入らないのですぐに立ち上がれない。よりかかったま しばらくしてから立ち上がる。日中は 朝ほどひどくなく 動ける。しかしずっと しびれはある。

いま娘さんが お産で帰ってきており 一才のお孫さんもいて その子を公園へ連れて行ったり 手を持ってブランコのようにして遊んであげている。腰は痛いがお孫さんは とてもかわいいので つい喜ぶことをしてあげてしまう。日中はしびれはあるがなんとか 動くことができる。なにしろ 朝がつらいということです。

既往歴として3月始めに心臓の手術をした。狭心症で 2月の雪で雪かきをしてそのときいつもと違う息苦しさがあり 医者へいき手術を勧められた。心臓の薬は20年以上のんでいる。 血圧は高く降圧剤を飲んでいる。

身長169cm 体重69kg がっしりとしています。少し前かがみになって歩く。昼間は 動きはいいと患者さんがいうように とくに痛くて足を引きずっているわけでもない。が、しびれはある。しびれは気血の巡りが弱っているとみます。おしゃべりが好きで話をおもしろおかしくされるかたです。この方のように歌うようにしゃべるのは 東洋医学では 脾(五臓 肝、心、脾、肺、腎の中の脾、肝は呼びつけるような声を出す、心は独り言を言う、肺は哭くような声、腎は呻くような声に分別されます。)に入る。またスポーツマンで若いときから野球をよくやっていたそうです。いまも色々なスポーツに興味があります。身体を動かすのが好きです。

食欲はあり 太らないように気をつけています。よく眠れる。便通は便秘と下痢を繰り返す。かなり神経質な方です。

触診してみると右の腰、お尻から足にかけてかなりやせている。左と較べてみるとはっきり分かります。冷たい感じです。腰も背骨がうしろに飛び出て円くなっている。背骨の横の筋肉むくみ 盛り上がっている。そのふくらみの下とお尻の間がやせており この辺りが足の方にいく神経を圧迫して働きを悪くしている所だろう。また 正座をして 踵が当たる坐骨や お腹の下のほうもやせて 筋肉がたるんでいる。右足しびれがあるので軽いむくみが ある。しびれて痛むところは 膝の下のそとがわで 足の三里のもう少し外のほうです。そこは凹みがあり そのまわりもぶよっとして浮腫んでいます。

車を仕事でよくつかうので腰の骨が座席の背もたれにあたり 痛いときがあるということでした。足の指も冷えており 筋肉もやせ(血が虚しているとみます)年令もまだ70前ですが治るのに時間がかかるだろうと思いました。このような人はまず 体力が落ちているのでじゅうぶん気血が巡る身体にしなくてはなりません。
食欲はありますが その栄養が患部に補給されていないのでやせているわけです。そちらに栄養がいくように体のバランスを調えたりします。若い方のように筋肉もしっかりしており新陳代謝もよければ治るのも違うのは当然です。年令がいっても気持ちが若いので早く治ることが当然のように思っていますが そうはなかなかいきません。

腹診、脈診を行い 証を肝虚脾実とたて まず本治法を行い(これは手足の重要なツボに鍼をして全身の調整を行なう) つぎに 痛む腰から足にかけて 標治法(痛むところの治療)をおこないます。弱っているところに張りをもたせるような鍼をおこない 固いところは柔らかくして気血の流れをよくして 艶や潤いがでるようにし、体全体があたたかくなるようにします。このような治療に お灸を加え(灸は三分の一ぐらい燃えたところで 取り去ります。)さいごにお腹に鍼をして終了しました。鍼は接触ていどのものです。ほとんど痛みはありません。気持ちよく治療するのが経絡治療の特徴なのです。

これを繰り返すうち、あさ起きるのも力が入るようになり動きが楽になってきました。しびれがとれるのは時間が 多少かかりましたが 治癒となりました。すべて右肩上がりに 治っていくわけではありません。雨が降れば痛みがひどくなったりと 行きつ戻りつしながら 鍼が患者さんの 自然治癒力の後押しをしながら良くなっていくわけです。 

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むち打ち症(頚椎捻挫)   45才  女性  会社員  10月30日来院

5月に 車の事故にあい むち打ち症となり 左の頚肩が痛い。夜も痛みで眼がさめる時がある。足、腰に力がはいらない。病院、整骨院に通院していたが あまりよくならず来院。

既往歴は血圧高く降圧剤飲んでいる。肝機能もあまりよくない。貧血気味。

身長153センチ、やや小太りの方です。色は白く、白は東洋医学では 肺に入ります。(肝は青。心は赤。脾は黄。腎は黒) 便秘勝ちということです。食欲はあまりない。よく話します。活発な感じのかたです。

左の頚肩は うつむいたり、後ろにそらせるのも痛くて充分にできません。横にまげるのも 痛みがある。お風呂にはいると 気持ちがよいということです。左肩をじぶんでもむと ピリピリしてくるといいます。

触診してみると左の頚肩は張って 固くなっている。左の胸の方まで固くなって 鎖骨の上の前側の頚の筋肉やせています。背中のほうは左右とも全体にもりあがり 固くぱんぱんになっています。左の腕の方まで軽く浮腫みがあり 又、左の腰やお尻の方まで 張っています。ただ頚や肩が痛いので、頚肩以外は患者さんはわかっていません。人間はひとつ悪いところがあるとそちらに 気がいってあとは意外と分かっていないものです。

腹診、脈診をして脾肝相克という証をたて 銀鍼を使い 手足の重要なツボに軽く鍼をあて気を伺いながら補法を行ないます。そして邪があればシャ法をおこないます。これで全身の調整をおこないます。(本治法といいます。)

次に頚肩 背中 腰や腕などを気血のながれをよくするように 補法や寫法をおこない さらに艶がでるように 体が温まるようにします。

痛みを起こしているところはk気血が滞っていますが 治療はその回りにおこないます。そして気血の充実している部分を増やしていきます。
この患者さんは背中の治療がとても気持ちが良かったようでした。パンと張っていたのがゆるみ 柔らかくなりました。治療後はとても気分が良かったようです。(しかし患者さんどなたも すぐ治療後らくになったのがわかるというものでもありません。) 次回を約束して帰られました。

2回目  11月1日 後ろに頚を曲げても 大分楽になり まだ少し痛みはある。食欲はすこしでてきた。背中は たいへん楽になったということでした。同様の治療を行ないました。

3回目 11月7日 頚の動きは まえよりかなり楽になったということでした。患者さんの都合によりこれで終りとなりましたが 3回でも大方の痛みがとれ 鍼がよく効いた方でした。その後も具合が悪くなるたびに 来院されています。そのつど 初めて治療を受けた時のことを 話され 治療の翌日 非常に楽になったといわれ こちらもたいへん嬉しく思っています。 br>
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腰痛と背中の痛み

腰痛は人間が立つようになってから 起きるようになった痛みかもしれません。
人間の身体は背中や胸には肋骨があり 大事な心臓、肺臓、肝臓が中に入って、守られています。そして 胸椎の下からお尻の骨盤との間に 腰の骨があります。

腰の骨は 私たちの いろいろな体の動きに かかわっています。物を取ろうとしたりする時 かがんだり 身体をひねったりなどずいぶん 負担をかけているのです。

背中の骨は 肋骨に支えられていますが 腰のほうは 支えがありません。私たちの筋肉が腰の骨をささえているのです。

筋肉は体の前と後ろにありますが 女性の場合は 妊娠、出産、育児などで 腰、骨盤にかなりの負担がかかります。赤ちゃんが生まれるまでの 10ヶ月 女性は お腹がまえに つきだした姿勢で 腰でお腹をささえています。

赤ちゃんがうまれてからは おんぶに だっこで いつも 10キロ以上の子供を抱いたりしています。赤ちゃんも小児も ぐずったり 眠ったりしていると重いものです。

そういう子育てと共に 女性には 生理があります。1ヶ月に1回は 骨盤内で妊娠がなければ 出血し流れていくものですが そのひとにより 順調にいく場合とそうでなく 痛みで苦しむ方もいます。いろいろなことが 腰の神経に関係してきます。とくに女の方は腰に負担がかかり勝ちなために腰痛をおこしやすいともいえます。

このかたも3人のお子さんに 恵まれ 更年期に入る手前の方で 39歳です。やせて 背が高く 右の腰と背中が痛いということで来院しました。

肩こりも以前からあり 背中や腰も慢性化しているようです。 腰に手をあてて ぎっくりいかないように しています。腰は伸ばせないので やや 前かがみのような状態でした。

触診してみると右肩甲骨の間や腰のほうに コリがあります。昨日、今日、できた凝りでは ないので この凝りがあっても 痛みがなかったときの 体のバランスに 戻すべく治療をおこないます。それにより 凝りも小さくなるとかんがえます。

身体には12経絡が流れています。経絡の中には気。血が流れています。経絡の名前には 5臓(肝、心、脾、肺、腎)の 名前と そのほかに 心臓の仕事を代行するという心包(しんぽう)の 名前がつけられた経絡があります。これらは 陰経とよばれ これに対する陽経もあり 併せて12経絡とよんでいます。そして この内のどの経絡が よわっているかを診て 鍼で気を 補ったり寫したりして調整をします。

そのような 治療のほかに痛むところを診る標治法(ひょうちほう)も 併せて行ないます。これらの治療は その方の自然治癒力を 最大限に 発揮できるようにおこないます。鍼は金、銀、ステンレス鍼を 用いて行い ほとんど接触程度ですので とても気持ちのよいものです。そして 皮膚には艶がでて、体が温まるようになり 身体に力をつけるようにします。

どの経絡が 弱っているかは患者さんによく お話を伺うことから はじまります。そして 腹診、脈診をして どの経絡が 一番弱っているかを 判定して 治療をすすめるわけです。

このかたも 肝肺相克という証をたてて 治療しました。翌日 来られたときは 腰がのびるようになっていました。背中のほうも よいようでした。しかし ふつうの 状態ではまだありません。このような治療を 繰り返しおこない 薄皮をはぐように よくなっていきました。8回の治療で この方は治癒となりました。

腰の具合、背中の具合がわるいときには 来院されて います。20年以上こられている患者さんです。
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ストレスによる肩の痛み


 左の肩、頚のいたみが有り じっとしていても痛いということです。

頚、肩のほかにも 左の腰も痛い。34才の女性の方で 結婚し、子供さんも いらっしゃいます。

背は高く 痩せ型で やや 神経質な感じを うけました。

7年前に車が 電柱にぶつかり むち打ち症になり 頸に カラーをまいていたことが あります。
今回は 看護学校を 受験するために 勉強し 左腕が 痛かったということです。机に向い肘を ついているので 痛くなったのではと 思います。

仕事も パートで 商品のピッキング作業を されています。

家事、子育て、仕事に加え 久し振りに教科書を 開いての勉強ということで 精神的な疲れと 体の疲れがでてきて 以前 傷めたむち打ち症の 症状が でてきたものと 思われます。

一度 症状が でたものは 痛みがとれても その回りに来ている神経のはたらきが わずかでも悪くなり 筋肉が やせて くるものです。でも まだまだ若い方ですので 患者さんは そんなことは 気がつきませんが ある程度の 年令になると 昔の古傷が わるさをするものです。

この 患者さんの場合は 体力も有り 治療すれば 早くに 回復すると 思われます。

経絡治療は いろいろな 角度から 患者さんの 診察をします。それには 望診、聞診、問診、切診があります。ぼうしん、ぶんしん、もんしん、せっしんは 四診法といいます。このうちの 望診というのは 患者さんの 顔色や 様子、痛む場所の色や艶などを 診ます。また 前腕の内側の色合いを見て 青なら 肝などと 五臓の色を診ます。

そのほかに 声の高い、低いや 食欲、睡眠、便通、更年期の症状や生理のことなどを 伺い、お腹を診たりして 脈診により 証というものを 決めます。それが 診断になり そこから 治療が 始まります。

治療は手、足のツボをつかい 髪の毛より細い鍼で 接触程度の鍼を おこないます。それで 全身の調整ができます。次に痛むところを診て 鍼をし ほとんど鍼は痛みを 与えるようなことは ありません。気持ちよくゆったりと なるような 治療が 経絡治療の特徴です。そして 全身の 気、血の流れを よくするように 身体に つやがでるようにします。

この方は 手足の指先に 冷えがあり 生理痛もありました。肝虚証という証をたて 治療を行ないました。つぎに 痛むところをみると 最初の左肩の つっぱりが だいぶとれていました。また 柔らかくなっていました。そして 頸のまわりや 肩、肩甲骨の間の よわってぃるところを 補鍼をおこない、背中から腰、腕、足まで つやがでるように 鍼をおこないます。

このように治療を おこなっていると いろいろと 症状に 変化がでてきます。一枚一枚薄皮が はがれ その度に 症状が すこしずつ 違ってきます。

頸、肩、腰の痛みは 2回でよくなりました。このかたは 早く治った方だと思います。しかし 生理痛や冷え性のあるかたは 多く腰痛も 持っています。

このかたも 1ヶ月半で 左の腰がいたい、股関節のまわりも良くない、あおむけに寝ると 左の腰がはずれてしまいそうだということで また来院されました。これも 2度で らくになりました。こういうものは でたり ひっこんだりを 繰り返すものですから しっかり 治療を継続していく必要が あります。
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膝の痛み(変形性膝関節症)


 年令とともに 膝関節の軟骨も減り 膝が歩くたびに 痛くなります。

このような方は まず、腰に問題が有り、そこからでている神経のはたらきが 弱く 足の筋肉が衰え、膝の関節の 動きに負担が かかります。

とくに太ももの内側の筋肉が弱ります。膝の内側がいたむという人は多いですね。

少しずつ筋力が弱まるので 痛みがでるまでには 腰痛があったり 膝折れ現象といって 膝ががくんと 力がぬけてように折れ曲がったすることが あります。いろいろと 体からは サインがでていますが 痛くないと 見過ごしてしまいます。

患者さんは 76才の男性の方で学生時代ラグビーをやっていました。頸の骨に ずれがあるということです。

膝は 特に左側が痛く 腰は真ん中が痛いということです。10年前から 膝の痛みは あるそうです。
がっしりした体つきで 身長もあり 低いがはっきりした声です。腰痛は学生時代からで 右手のしびれは20年前から あり、耳鳴りは1ねんいじょうまえから両方の 耳に あるということです。

食欲もあり、便通もよく ねつきは悪い。夜中に2回ほど トイレにいく。

また 膝から下が冷える。右足の冷えが ひどいということです。

スポーツが好きで いまでも 山のなかを走るスポーツ オリエンテーリングを やっているということで こちらも お年を召していらっしゃるのに こんなすごい方がいるのかと思い びっくりしました。

体を診てみる。 まず立たせてみて 右肩はきんにくよわり力なく 腰も右のほうに 大きなかたまりがありました。右手の しびれや 右足の冷えはこういうところから来ているのではと思いました。

左はおしりが張り 足のうちがわの 筋肉はよわっているように みえました。

左ひざの内側がむくみ はれています。左足のうちがわの筋肉は細く ぶよっとしていました。はりの無いかんじです。左の膝がわるいと 腰やお尻の はりがでているのが よくわかりました。

腹診、脈診をして 肝虚脾実という証をたてました。即、治療にうつります。

ここで 経絡治療では 脾が ひざに関係しているとみます。

脾は 消火器系統全般を 支配しますが そのほかに 体重節痛(たいじゅうせっつう)といって からだが重だるいとか 関節の痛みもふくみます。

まず 肝虚脾実 という証に従い 手、足、肘から下、膝から下のツボを使い,銀鍼、ステンレス鍼で 全身の調整を します。これが 本治法です。

つぎに 痛むところをみます。本治法で 全身に気がゆきわたっていますが 痛むところを ていねいに診て さらに鍼をして つやと潤いがでるようにします。体があたたまり、このかたも 治療中はいつも ずっとねていました。

この治療を何回かおこなっていると 痛むひざも 治っていきました。筋力もついていきました。びっこをひかないで 歩けるようになったと 喜ばれました。
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かかとが 痛い


かかとが 痛いというかたは比較的多く 治りにくい症状ですね。

この患者さんは女性で やや太り気味のかたです。膝がいたかったり 坐骨神経痛に なったりと下半身に 病が多い方です。

かかとが 痛く 歩き始めが痛い。夜中 かかとが ジンジンいたむ。足の裏全体が痛いので 夜中にトイレに行くのを がまんすることも あるということです。

日中 つま先だちで歩いたりしています。仕事がら お年寄りを 介護することが あるのですが 靴がはけずに つっかけをはいています。

かかとが 痛いかたは かかとの上のふくらはぎが固くなり 足首が内側に曲がっているような感じです。内側のくるぶしの回りやアキレス腱も 固くなっています。

腰がわるいと どうしても悪い側の足は硬くなりがちです。

これをずっとそのままにしておくとかかとの痛みがあらわれたりします。

 腰がわるいほうの足は細くやせてきます。

たいていの患者さんは どちらの腰がわるいのかわかっていないことが多いように思います。
あまり 気にとめていない方が多いということです。

そういう状態がずっと続いていく内に あるひ 膝がきゅうにいたくなったり 腰が痛くなったりします。

患者さんにとっては 急なことですが からだはそれまでのあいだ ずっと我慢してきたということです。

うつぶせで 足を診ると左の足は太ももから硬く水はけ悪く重そうです。

膝の裏、ふくらはぎと 内側の筋肉が硬く うちくるぶしの まわりもむくみがでています。

かかともぶよっとしており押すと何箇所かが痛みがあります。水分代謝が悪く筋肉が硬く弾力がないようにみえました。

既往歴として右手のしびれ 手首から先がしびれる。頚椎ヘルニアがある。

バセドウ氏病、慢性腎症、左坐骨神経痛、左ひざの下がいたい、高血圧症があります。

小太りですが元気はあり 穏やかなかたです。

食欲あり、睡眠は なんとか眠れているほうです。便通もよい。腰から下が冷えるということです。

このようにいろいろ症状を 伺い それらを五臓(肝臓、心臓、脾臓、肺臓。腎臓)の経絡に わけて そして 腹診、脈診を行い 証をたてます。

経絡治療では いろいろな症状を五臓に振り分けるのです。眼が悪い みぞおちにつかえかんがある めまいは肝臓に、意識障害は心臓に,消化吸収障害は脾臓に、呼吸器は肺臓に、泌尿器は腎臓にわけて治療するのです。この他にも 症状が あります。それらをすべて 五臓に分けるのです。

証は 腎虚脾実としました。これが診断となります。治療は銀鍼、ステンレス鍼、を使い、肘から先、膝から下のつぼをつかって 全身の調整をします。これが本治法です。

全身の気をととのえて 艶のある気が からだ全体にいきわたらせるようにします。

その次に標治法といって 痛むところを中心にからだ全体を 診ます。

この方のようにかかとが痛いといっても 病の本は腰にあり(腰は 経絡治療では 腎が支配しています。) それも上半身も無関係ではありません。

腰は手をつかうとき 支えになっています。からだはすべてつながっていると みるべきです。いま腰に病気があるとして それでは肩 背中 はどうなのか? 弱くなっているところがないか 反対に硬くなっているところはないか よくみることが大事です。

また 胸、腹、ソケイ部、脇のほうはどうなのかと よく診て行きます。

そのように診ながら 弱いところは 補鍼(気を補う)をし 硬いところは邪をとる鍼をします。

そして全身に つやとうるおいのある 気のめぐりの良い体になるようにします。

針はいたくなく 気持ちの良いリラックスできるものです。経絡治療は気を 大事にしますので 痛いということは 気がもれるとということですからもれないようにします。非常に気をつけて 鍼をおこないます。

この患者さんも お仕事を持っていらっしゃるので 多少日数が 5−6ヶ月程 かかりましたが その間にはかかとの痛みだけではなく他の症状もとれて からだ全体が 軽くなって楽になります。経絡治療は 全身に変化がある治療です。
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お腹が はる


すこし 食べただけで 満腹感があり もう食べれなくなる。

便通も 一度にでなくて 少しずつしか でない。

朝 会社に行く時間なのに トイレに通っていなくてはならず困っている。

トイレにいっても ガスが多い。お腹がはったかんじがする。

これは空気を多く呑んでいるのではないか?腸になにか問題が起きているのではないかと悩む人は多いものです。

いままで こんなことはなかったのにという方も あるていどの 年令に達しますと 自分の体の調子の悪いところが 分かってくるものです。

その方のもっている体質の弱い部分がはっきりしてくることが あります。遺伝的なものもあるかもしれませんし 環境も左右します。

  風邪を引きやすかったり 若い頃は 薬が効いても それが だんだん効かなくなったり 何時までも だらだらと 長引くことが 多くなる。

これは からだの抵抗力が落ち 自然治癒力が弱まってくるからです。

55才の女性で会社員のかたです。

お腹が張るのでお医者さんに診てもらったところ 胃はすこしただれた所があるが問題なく 大腸のほうにポリープがあり 2個ほど摘出したが その後もお腹がはる症状が 治らないということです。

 腹診しますと とくに 下腹部が張っている。盛り上がりがある。胃の回りはやや 固くなっていて あまり食べられないというのも わかります。

胃の働きが 良くないのが わかります。。左腰の脊椎のまわりも固さがあり胃腸の神経の働きも良くないことがわかります。それらの 回りは柔らかくなっていなければなりません。

このかたは いま右の五十肩がだいぶ良くなってきているが もともと右の股関節や ソケイ部が悪く 女の方に多い症状ですが 冷えると 痛みがでやすいのです。

右と 左のバランスが悪く 今度は左の腰は痛くないが お腹の方に症状がでたようです。

脈診をして 証をたて 腎脾相克としました。本治法を行うと かなり左のお腹の張りや腰のほうも柔らかくなりました。

次に腰や背中、足など体全体に気の流れを良くするように 軽く治療をおこないます。

治療後、立ってもらうと左のお腹が張っていたのが 柔らかくなっていました。

つぎにこられたときなは前よりずいぶん楽になったと 話されました。同様の治療を続け 治癒となりました。


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氷をかじる人


若い女性で 介護の仕事をされている方です。

おなかが冷えるのを何とかして欲しいということで 来院されました。 

 やや背は高く 色白のかたです。

鼻をかむことが多い。これは 鼻ずまりが あるためで 水っぽい鼻水が でます。肩こりはあまり 感じません。

また 体中がかゆく 掻きこわし 大きなシミのようになっているところが 体全体にあります。

顔以外の手、足、背中、お尻など 無意識に夜中にかいたりしているということです。

いまは医者からもらった薬を塗っていますが ぬり始めてから汗がでなくなったそうです。かゆくなったのは 中学生のときからです。

氷をかじるのは 中学生の頃からで アイスクリームは 大好物で冷たいものを 好みます。

体が冷えるといいながら 冷たいものを欲しがるところが 病気です。

大概 冷え性のひとは 暖かい飲み物をこのみますが この方は 違います。胃に熱があると つめたいものを体が欲しがるのかもしれません。

生理痛もあり 始まってから 1−2日めが痛みがでる。でも 薬を飲んで 痛みをおさえるほどでは無いということです。

食欲は あり、よく眠れるが 寝つきはよくない。手足の指先も冷えるということです。

朝起きるのに 時間がかかり 目がさめていても 起きれないというのは 体に エンジンが かかるのに時間がかかる低血圧症の かたでしょう。陽気不足かもしれません。

冬は とくに冷えを強く感じるということです。

腹証、脈証をおこない 肺虚という証を たてました。

このように湿疹など 体の皮膚に いろいろ症状のある方は 肺が関係しています。

肺の虚があるか実があるかどちらかだと思いました。この方は肺虚とみました。おなかも 肺の診所(みどころ)が 虚していますし、脈診でも 肺がいちばん 弱くうっています。

本治法で 銀鍼をつかいツボを補い ステンレス鍼で 寫法をおこないました。これで 全身の調整が おこなわれました。

つぎに体をみると お尻や太ももなど 掻きこわしの所や かさぶたになっているところが 多くあります。 手の指にまでいくつか できています。

そのまわりに 補、寫の鍼をおこないます。背中から腰、足それから手にかけて気の流れを もっと良くするように鍼で 補、寫を行い、お腹に鍼をして、終了しました。

患者さんはお腹が あたたかくなったということです。

つぎに 来られたときは鼻をかむこともなくなり お腹もあたたかく 手足の指先の冷えも感じなくなったということで たいへん喜ばれました。 たった 一度の鍼で このような結果が得られるとは 長年 わずらっていたことが なんだったのか 体の不思議ですね。

こちらも改めて 経絡治療の力に驚きました。まだ かきこわしがひどいので 治療を継続しています。


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足のむくみ 1.おばあさんの足のむくみ  2.卵巣癌手術後の足のむくみ


 患者さんは92才の女性でホームにはいっています。娘さんに連れられて来院。

みると両膝から下 足の甲までパンパンにむくみがあります。患者さんは私の足どうしちゃったん

だろうと話しています。

ホームに入られる前まではこんな風にむくんでいなかったということです。

 このかたは 軽い痴呆症がありますが 年令のわりには体の動きがよく速く歩けます。



でもやはり90才は越えていますので 治療室のベッドの昇り降りや体を横に向けたりするときは

ゆっくりです。

 立たせてみると左の股関節が上に上がり傾いています。背中も少し丸まっています。腰痛も

あるので特にベッドの上での体の向きを変えるときは痛がります。

それでも 何とかして欲しいという娘さんの要望により治療を始めました。

 お腹を診て脈を診て腎虚脾実証という証を立てました。また下腿の前面の胃経の

通る所は両方 熱を持っていて赤くなっていました。

 そして膝の内側には 水が入っている様な盛り上がりがあり

それもかなり大きなものがありました。(直径5センチ位)足の甲も脛も押さえる

とくっきりとへこみます。

ふくらはぎも膀胱経にそって固く盛り上がっています。



腰から下の冷え 冷たいものを飲むと下痢し易い、眠りが浅いという腎の症状がありました。

五臓にはそれぞれ症状が決まっています。

 まずいつものように 本治法で 補法を行うと膝の内側の水ぶくれの硬さがかなりとれました。

それから腰やお尻ソケイ部の弱っている所に気を補ったり硬くなっているところを柔らかくし、

足にはお灸をしました。

もちろん 途中で消すお灸なので ほんわりとあたたかいものです。このような治療を 

しばらく続けましたがむくみは 一進一退でした。どうしたものかと思っている時

 奇経治療をこれに加えました。そうしたところ

一気にあんなにひどかったむくみがひいていきました。足の甲までぶよっとしていたのが

こちらが驚くほど水がひくようにとれていきました。太かった足が細くなりはじめ私も患者

さんも嬉しくなりました。

 年令で諦めがちですがそのようなことはないという証明でした。



この治療法は他の症状で来院している卵巣がんの術後(3年)の患者さんもソケイ部の

リンパ節を切除している為 足がむくみ正座できないほどでしたがこの方もむくみが

非常にすっきりとれまだ60歳で若い方だったので むくみのとれかたもはやかったようです。

 むくみで困っている方はぜひ御来院ください。
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イライラする おこりっぽい人


30代の若いお母さんです。子育てで忙しいのもありますが 性格的にイライラする

 肝の体質のようです。

リーダー的なタイプの人に多いように思います。肝の人の五志は怒で 心は喜、脾は思、肺は憂

、 腎は 恐となっています。

こういう方は特に生理のとき ホルモンのバランスが 変動をおこすときなど 感情が乱れがちに

 なりやすのです。



中肉中背の方で 嫌なにおいで めまいがします。

ムチ打ち症で 頸、肩、肩甲間部の痛みがあり 朝 起きる時がつらい。また 夕方になると

 左足が しびれる。これも 出産直後からあり 階段を 降りるときが 痛いといいます。

ムチ打ちの 症状は左ですが 幼い子を 抱きかかえるので 左腕も パンパンに 張っています。

これは 毎日 大変だなーと 思いながら いつものように 腹診 脈診をおこない

 肝虚脾実証と 証をたて 本治法を 行いました。



本治法は 体全体のゆがみを なくし 硬かった筋肉も柔らかくなり気血の流れよくなり

 はり、艶がでます。

肝の気を補うことにより 怒りの症状も おさまります。



つぎに 背中や腰を診ます。 背中は左側に むくみや ざらつきが あり 頸や肩も 張っており 

上腕部も 硬さがあります。 腰のほうも 左背骨に沿って硬く また 足はうつ伏せでも

 まっすぐ伸ばすのは辛く かかとをあげていました。

それらの気の弱っているところに 気を補う補鍼を おこない 硬いところには一ミリ程

いれ 和法的に 処置をし 気血の通りをよくしました。

最後に おなかに軽く 補鍼をおこない終了しました。

患者さんは とても気持ちが良かったようです。体があたたまり 背中が楽になったと

いわれました。



2回目に 来院されたときには めまいがなくなり 不安感もなくなった。地に足が

着いた感じがして よくなった。ぜんぜん 眠れなかったのが 次の日から 眠れるように

なった。



足のしびれは まだありますが いままでよりは 良いようです。前回と同様の治療を

行っていく内に 実は イライラすることが多かったのが 最近は爆発することが

 少なくなったと 話されました。



これは 患者さんが 治療家に 心を開いてくれないと なかなか話してくれません。

初診のときは 産後のイライラがひどく あせりと不安感があったという お話はありましたが

ご主人のことで 悩まれているとは こちらは 思っていなかったのです。

それが 少しでも 治療によって 解消されたということは この経絡治療ならでは

と 思いました。

気の調整により 肝の性格である怒の強さが コントロールされるようになってきたのでしょう。

これは 家族にとっても 良いことですね。おかあさんが ニコニコしているほうがいいですね。



肝体質の人は このようにイライラしやすく 筋肉のひきつり めまい 目に関する病

 ホルモン系の病 便通も 始め硬いのがでてあと軟便がでる。すべてに 当てはまる訳では

ありませんが そういう特徴をもっています。
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急性 扁桃腺炎


26才の男性です。車の製造のお仕事をされています。頸、喉のはれがあり、痛む。

 肩こり 腰痛も あります。

7ヶ月まえから 喉の痛みがひどく、医者に行き薬を処方されたが のんでもなおらない。

仕事が不自然な体勢をとることが 多く その度に のど、肩、頸、腰が痛む。ストレスが

多く、痛みも強い。これは 風邪をひいて慢性的に のどが痛いわけではないと

いうことです。

勤務は 不規則で 夜勤もある。また 重いものを 持つことも多い。

1週間前より ひどくなり今は 会社を休んでいる。医者からは急性扁桃腺炎といわれた。

子供のときに 扁桃腺炎になったことはない。 風邪もあまり ひかない。

  背が高く、ヒョロヒョロとした感じで 足や手が細長く 芸術家のような髪型で

 独特の雰囲気のある方です。ゆっくりと しゃべるのも 今の時代と逆行している感じ

でした。

足の指先の冷え、寝ても途中で目が覚める。口唇にできものができやすい。食欲はあります。

現在は 抗生物質を服用しています。

お腹を診ると 肺、脾の診所(みどころ)が 軟弱に診えます。また 肝の診所は 硬く張って

います。右の喉は 押すと痛み 頸の骨の傍は筋肉が 弱っています。肩甲骨の間は右が

へこみ 硬くなっています。

肩こり、喉の痛みは 肺の症状なのです。おそらく 肺の気のめぐりが悪くなったのでしょう。

脈診では 肺虚肝実とみて 治療を始めました。本治法をおこなうと 弱った筋肉にも 張りや

潤いが でてきます。

そのあと 喉の回りを診ますと まだ胸鎖乳突筋(耳の後ろから胸骨に付く筋肉)が突っ張って

います。そこで 小腸経を寫法すると きれいに突っ張り取れ のどの痛みも 楽になる。

あと いくつかお灸をして(灸はほんわりとした あったかいもので皮膚には痕が 残りません)

 お腹に 散鍼をして 終了しました。患者さんは 喉がらくになったと話してくれました。

1週間後2回目 同様の治療をおこないました。若い方なので 症状は 早くよくなるようです。

合計4回の治療で 痛みが完全にとれました。


風邪


鍼で 風邪が治るとは 思っていない方が 多いと思いますが そういうことは ありません。

経絡治療は 自然治癒力をたかめる治療なので 風邪にかかっても 早く体力を回復させる

力があります。



41才の男性です。 会社で 回りに インフルエンザに罹り 休む人が多い。それで 風邪か

インフルエンザか わからないが どうも うつされたのかもしれないと いうことです。

今朝から 喉が痛み 熱も 39℃あり 身体が寒い。

午前中に お医者さんにかかり 薬をもらってきました。会社を 休めないので 来院。

喉を診ると 赤くはれて 熱感を 感じます。触るまでもなく 真っ赤な顔をしており 

こちらまで 熱さを感じます。反対に 手は冷たく 足も冷えています。これからもっと

熱が 上がることでしょう。



脈診を すると 熱があるため 浮いて 非常に速く それほど硬くは ありませんでした。

邪が どこに あるのかと 思いながら 脈を みます。

おなかを 診ると ヘソより下が 軟弱にみえ 腎の診所(みどころ)が いちばん弱く

みえました。比較脈診で 腎脾相克と 証をたてました。

左右の脈のバランスが悪く 左手のほうが かなり浮いていました。本治法を行なうと

脈は 柔らかくなり 速さも 少しおさまりました。

標治法として 背中に 寫的に 鍼をおこないました。ほてりが すこし取れました

手にみずかきの 鍼をして 熱を さげました。



そのあと 患者さんは 人手が足りないために 夜勤に でましたが 途中で 帰ってきたそうです。

次の日 来院したときは のどの痛みは とれたと言う事ですが まだ寒気はあり 熱は 37℃

に なっていました。いまは 頭痛が するということです。同様の 治療を行い 今回は 左の

小腸経を 寫法しました。これで 肩甲骨の回りや 頸が らくになります。



患者さんは 薬をのんでいますが いままでより 治りが早いといっています。



翌日 3回目に来られたときには 前回の治療後 かなり汗がでて お風呂にはいり さっぱりし

たと いうことです。熱が平熱の 36℃になっていました。



脈診をしても 脈は遅くなっています。頭痛もなくなりました。体調は ほとんど 元に戻ったよう

です。

食事は おかゆを 食べていますが 徐々によくなるでしょう。



短期間で これだけの よくなるのは 患者さんの体力も ありますが 体の気、血を 調える

経絡治療の おかげだと思います。